Okta WIC入門 〜ユーザー管理からグループ設定まで〜

Okta WIC入門 〜ユーザー管理からグループ設定まで〜

Clock Icon2024.12.24

おはようございます( ◜◡◝ )
ゲームソリューション部/業務効率化ソリューション部のきだぱんです。

本ブログはClassmethod ゲーソル・ギョーソル Advent Calendar 2024の24日目のブログとなります!メリクリ!
https://dev.classmethod.jp/referencecat/gamesol-businesssol-advent-calendar-2024/
https://qiita.com/advent-calendar/2024/gamesol-businesssol

ゲーソル、ギョーソルが気になる方は以下のブログも併せてご覧下さい!
https://dev.classmethod.jp/articles/gamesol-businesssol-jouhokyoku-1/

さて今回はOkta WICです!

この記事では、基本的なユーザー管理機能について解説します。

Okta Workforce Identity Cloud (WIC)とは

そもそもOktaではCustomer Identity CloudとWorkforce Identity Cloudの二種類のサービスを提供しています。
そのうちの一つ、Workforce Identity Cloud(※以下WIC)は、企業が従業員やパートナーのアイデンティティ管理を効率的に行い、セキュリティを強化しつつ、優れたユーザーエクスペリエンスを提供するための包括的なソリューションです。
従業員やパートナー向けのアイデンティティおよびアクセス管理ソリューションで、シングルサインオン(SSO)や多要素認証(MFA)を提供し、内部ユーザーのセキュリティと効率を向上させます。
ディレクトリ統合や自動プロビジョニング機能も備え、IT管理を簡素化します。これにより、企業は内部のアイデンティティ管理を最適化し、セキュリティリスクを軽減できます。

Okta Workforce Identity Cloud (WIC) は、企業が従業員のデジタルアイデンティティを管理し、セキュリティを確保するためのクラウドベースのソリューションです。
https://www.okta.com/jp/workforce-identity/

主な機能

  • シングルサインオン (SSO):
    ユーザーが一度のログインで複数のアプリケーションやサービスにアクセスできるようにする機能です。これにより、ユーザー体験が向上し、パスワード管理の複雑さが軽減されます。
  • 多要素認証 (MFA):
    ユーザーがログインする際に、パスワードに加えて追加の認証要素(例: SMSコード、認証アプリ、バイオメトリクスなど)を要求することで、セキュリティを強化します。
  • ユーザープロビジョニング:
    新しい従業員が入社した際に、自動的に必要なアカウントやアクセス権を設定する機能です。また、退社時には迅速にアクセス権を取り消すことができます。
  • ディレクトリ統合:
    既存のディレクトリサービス(例: Active Directory、LDAPなど)と統合し、一元的にユーザー管理を行うことができます。
  • アクセス管理:
    ユーザーごとに異なるアクセス権を設定し、特定のアプリケーションやデータへのアクセスを制御します。
  • セキュリティポリシーの設定:
    パスワードポリシーやセッションタイムアウトなど、セキュリティに関するポリシーをカスタマイズして設定できます。

※上記は、一部の機能になります。

多数のアプリケーションやサービスと統合が可能なため、迅速に導入することができます。
https://help.okta.com/oie/ja-jp/content/topics/apps/app-config-guides-main.htm

Oktaでのユーザー管理機能について

ユーザー管理の基本

Oktaでは、組織内のユーザー情報を簡単に管理することができます。

主な管理作業は「People(ユーザー)」ページで行うことができます。
Okta管理コンソールにログイン -> メニューから「Directory」を選択 -> 「People(ユーザー)」をクリック

できること

  • 新規ユーザーの追加
  • パスワードのリセット
  • 多要素認証の設定リセット
  • その他のユーザー管理操作

主な機能

  • ユーザー一覧の表示(最大200名まで)
  • 25件ごとの一覧表示による見やすい画面構成
  • ステータスによるユーザーのフィルタリング機能

Oktaの管理コンソールを使えば、大規模な組織でも効率的にユーザー管理を行うことができます。直感的なインターフェースで、簡単に操作できる設計になっています。

ユーザの追加

  1. 管理コンソールで、Directory > Peopleに移動

  2. 「Add Person(ユーザーの追加)」をクリック
    スクリーンショット 2024-12-23 17.30.53

  3. ユーザータイプリストからユーザータイプを選択するか、デフォルトのままにします
    参照:Custom user types in Universal Directory

  4. 以下のフィールドに必要事項を入力します

  • 名(First name):ユーザーの名を入力
  • 姓(Last name):ユーザーの姓を入力
  • ユーザー名(Username):メール形式でユーザー名を入力
  • 主要メールアドレス(Primary email):ユーザー名と異なる場合、ユーザーの主要メールアドレスを入力

パスワードの設定方法

パスワード設定には2つの方法があります:

  • ユーザー自身による設定

    • ユーザーに設定用メールを送信
  • 管理者による設定

    • 管理者が初期パスワードを設定
    • 初回ログイン時の変更を強制可能

グループ管理機能

企業システムの管理者として、多数のユーザーのアクセス権限を個別に管理することは大変な作業です。
Oktaのグループ管理機能を使えば、この作業を大幅に効率化できます。

グループ管理とは?

グループ管理とは、共通の権限を持つユーザーをまとめて管理する方法です。
例えば:

  • 営業部門のメンバーを「営業グループ」として管理
  • 経理部門のメンバーを「経理グループ」として管理

主なメリット

  • 管理工数の削減
  • 人的ミスの防止
  • 権限変更の一括適用
  • セキュリティリスクの低減

また、Oktaの管理画面では、直感的なグループ検索が可能です。

  • グループ名での検索
  • 部分一致検索にも対応
  • 効率的なグループ管理をサポート

スクリーンショット 2024-12-23 18.02.31

アクセス制御

グループ設定では、アクセス制御も可能です。

  • ネットワークベースの制限
  • 多要素認証(MFA)の設定
  • 特別なポリシー設定 など

管理者は、

  • 専用の管理者グループ
  • きめ細かなポリシー設定
  • セキュリティを考慮した表示制限

も行うことが可能です。
Oktaのグループ管理機能を活用することで、複雑なユーザー管理を効率化できます。

グループには、以下のタイプがあります。

グループソースタイプ 説明 主な特徴
ネイティブOktaグループ Oktaの基本グループ機能 • アプリケーションや他のリソースとの連携前に作成可能
• デフォルトで「Everyone」グループが存在
• 管理は「Directory > Groups」から実行
• 「Okta Administrators」グループあり
Active Directoryグループ 最も一般的なグループソース • 大規模企業での標準的な選択
• Okta AD agentで連携
• Domain Local Groups(複数ドメイン)は非対応
• Universal Security Groupsは条件付き対応
• クロスフォレストは非対応
LDAPグループ LDAP準拠のグループ管理 • Okta LDAP Agentを使用
• Windows/Unixサーバーのグループをインポート可能
アプリケーショングループ 外部アプリのグループ連携 • 対応アプリからグループインポート可能
• APIアクセスとOkta統合が必要
• Box, Google Apps, Jira, Office 365, Workdayなどに対応

おまけ

グループの重複について
複数のActive Directoryを使用している環境では、グループの重複という厄介な問題が発生することがあります。

なぜグループが重複するのか

Office365を例にした時、

  • 東京オフィスのActive Directory
  • 大阪オフィスのActive Directory
  • 共通のOffice 365環境
    このような環境で、両方のオフィスのグループ情報をOffice 365に同期すると...?
    -> この場合、同じグループが2回登録されてしまう可能性があります!

同期の仕組みとしては、

  • 東京オフィスのグループ → Office 365に同期
  • Office 365のグループ → Oktaに同期
  • 大阪オフィスのグループ → Oktaに直接同期
    結果:同じグループが異なるルートで2回Oktaに登録されてしまう!

なのでそれぞれのグループの仕組みを理解し適応しましょう。

  • 同期設定の見直し
  • グループ命名規則の統一
  • 重複チェックの実施
  • 定期的なグループ監査
  • グループ名に拠点コードを付ける
  • 同期スケジュールを調整する
  • 定期的なグループ一覧の確認  など

おわりに

Oktaを活用することで、組織のアイデンティティ管理を効率化し、セキュリティを強化することができます。特に大規模な組織での運用では、本記事で紹介した機能を適切に組み合わせることで、より効果的な管理が可能となります。
ぜひ、この記事を参考に、御社のアイデンティティ管理の最適化にお役立てください。

Okta WICについてのブログも多数展開されていますので、ぜひこちらもご覧ください。
https://dev.classmethod.jp/tags/okta/

この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。
以上、きだぱんでした。

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